家の中を掃除する際に使用する洗剤にはいろいろな種類があり、それぞれ特徴や性質が異なります。掃除する場所に適した洗剤を使用しないと、余計な手間や時間がかかったり、トラブルの原因になったりする可能性があるので注意しましょう。
今回は各々の掃除場所に適した洗剤の選び方や、洗剤を選ぶ時の注意点、誤った洗剤を選ぶとどうなるかなど、掃除用洗剤に関する気になる情報をまとめました。
掃除用の洗剤はたくさんあるため、どれを選べばいいか迷ってしまうところですが、適当に選ぶと後悔することになりかねません。
とくに洗剤を選ぶときは以下の点に注意しましょう。
一言に汚れといっても、その種類ごとに性質が大きく異なります。軽い汚れや日常のお手入れなら一般的な中性洗剤でもかまいませんが、それ以外は「酸性」か「アルカリ性」の2つに分かれます。
主な酸性の汚れとしては油汚れ、手垢、皮脂、湯垢、食べこぼしなどがあります。
一方、アルカリ性の汚れには水垢、石鹸カス、カルキ、錆び、尿石、タバコの脂などが挙げられます。
酸性かアルカリ性かは、溶液中に含まれる水素イオンの濃度を表すpH値によって判断され、基準となる純水は7、それより数値が低いと酸性となり、逆に数値が大きいとアルカリ性になります。
汚れを落とすには、それぞれの汚れのpH値を7、つまり中性に近付けることが大切で、これを「中和」と言います。
つまり酸性の汚れにはアルカリ性洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性洗剤を使えばより簡単に汚れを落とせるようになります。
洗剤容器の「液性」の欄を見れば酸性かアルカリ性か、あるいは中性なのかちゃんと表示されていますので、自分が落としたい汚れの性質に合った洗剤を選びましょう。
掃除用洗剤の中には、家の建材や家具の素材などと相性が合わない物もあります。
とくに木製や革製、布製、タイル、プラスチックなどは相性の悪い洗剤を使うと素材そのものを傷めてしまう可能性があります。
掃除用洗剤のパッケージの裏には「使えないもの」の例や使用上の注意が記載されていますので、内容をよく確認してから購入しましょう。
家庭用洗剤は業務用洗剤に比べると洗浄力が低く、劇薬と呼ばれるようなものはほとんどありません。
そのため、単体で使用する分にはさほど危険はありませんが、ほかの洗剤と混ぜると化学反応が起きて人体に有毒なガスが発生するおそれがあります。
いくつかの洗剤をまとめて購入される方も多いかと思いますが、面倒でもそれぞれの注意事項を必ずチェックして、同時に購入した洗剤の中に相性が悪いものはないかどうか確認しましょう。
何も考えずに洗剤を選んでしまうと、家をきれいにするどころか、トラブルが起こる要因を作ってしまう可能性があります。
具体的にどんなトラブルが起こるのか、2つの事例を紹介します。
汚れとの相性を考えずに洗剤を選ぶと、なかなか汚れが落ちず、余計な手間と時間がかかってしまうおそれがあります。
汚れの種類によっては時間が経過すると落ちないものもあるため、建材や家具がだめになってしまう場合もあります。
洗剤を使う際は、汚れとの相性だけでなく、掃除場所に使われている素材との相性にも注意を払う必要があります。
たとえば窓枠がアルミサッシの場合、アルミはアルカリに弱い性質を持っているため、アルカリ性洗剤を使用すると腐食が起こる可能性があります。
同様に、水垢や錆びには酸性洗剤が有効ですが、金属加工してある素材の場合は腐食を起こす要因となるので要注意です。
現在、各メーカーからはさまざまな住居用洗剤が販売されていますが、洗剤の種類は大きく分けて6つあります。
それぞれの種類ごとに特徴や掃除すべき場所が異なりますので、以下にまとめた情報を参考に、洗剤を上手に使い分けてお手入れしましょう。
アルカリ性洗剤とは、pH値が9以上の住居用洗剤のことです。
pH値が高いほどアルカリ性が強くなり、pH9~11までは「弱アルカリ性」、11超えは「アルカリ性」に分類されます。
脂肪やタンパク質、糖質などを分解・溶解するはたらきがあるため、油汚れや皮脂汚れ、手垢といった酸性の汚れを落としやすくしてくれます。
簡単な油汚れなら肌に優しい弱アルカリ性の洗剤で十分ですが、頑固な汚れにはアルカリ性の洗剤を使うのがおすすめです。
その場合は手肌への影響を考慮して、ゴム手袋などをつけて使用するようにしましょう。
アルカリ性洗剤は油汚れとの相性がよいので、コンロやレンジフードなど油汚れがつきやすいキッチン回りのお掃除に向いています。
とくにレンジフードなど、年に1~2回しか掃除しないところは洗浄力の強いアルカリ性洗剤で浸け置き洗いするときれいに汚れを落とせるでしょう。
また、リビングやトイレのドアノブなど、手垢や皮脂汚れがつきやすい場所は弱アルカリ性洗剤を使うと指紋や黒ずみを拭き取れます。
酸性洗剤とは、pH値が5以下の住居用洗剤のことです。
アルカリ性洗剤とは逆にpH値が低いほど酸性が強くなり、3以上6未満は「弱酸性」、3未満は「酸性」の2つに分類されます。
水垢や石鹸カス、錆び、尿石、タバコの脂などアルカリ性の汚れに強く、酸性の洗剤を使用すれば黄ばみやピンク汚れなどの頑固な汚れも落とすことができます。
酸性洗剤は水回りに発生しやすい水垢や石鹸カス、錆びなどの汚れと相性がよいため、お風呂場やキッチンのシンク周りのお手入れに最適です。
また、尿石の汚れも落とせるので、トイレ用洗剤としても重宝するでしょう。
自宅で喫煙される習慣があるご家庭なら、壁や天井についた脂汚れは酸性洗剤を使うときれいに洗浄できます。
中性洗剤は、酸性とアルカリ性のちょうど中間に位置する住居用洗剤のことで、一般的にpH値6~8の洗剤がこれに該当します。
酸性とアルカリ性のどちらにも偏らない中性的な洗剤なので洗浄力はさほど強くありませんが、そのぶん肌や素材に優しく、トラブルを起こしにくいところが特徴です。
洗浄力が強すぎない中性洗剤は、家中あらゆる場所に使うことができます。
キッチンやリビングはもちろん、お風呂場やトイレ、壁、床などさまざまな場所の掃除に使えるので、便利なスプレータイプの中性洗剤を常備しておくと何かと便利です。
建材や素材も傷めにくいので、基本的には中性洗剤で掃除してみて、残った汚れを酸性またはアルカリ性洗剤でお手入れするのがベストです。
酸素系漂白剤とは、過酸化水素水または過炭酸ナトリウムを主成分とする漂白剤のことです。
液体と粉末の2タイプあり、前者は弱酸性、後者は弱アルカリ性の性質を持っています。
主にシミ抜きや漂白、除菌、消臭などの効果がありますが、塩素系に比べると効果は穏やかなので、色物や柄物にも使用できます。
強い臭気も出さないので、匂いが気になるところにも使えます。
酸素系漂白剤は漂白や除菌効果があるので、まな板やスポンジの除菌、洗濯槽のお手入れなどに重宝します。
まな板やスポンジは浸け置き洗いでOK。
洗濯槽を掃除するときは漂白剤を入れて洗濯機を回すと汚れが徐々に浮き出てきます。
汚れをそのまま排水するとつまりの原因となりますので、網などできちんとすくってから流すようにしましょう。
塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とするアルカリ性の漂白剤です。
塩素系は非常に洗浄力・漂白力が強く、酸素系漂白剤では落とせない汚れも除去することが可能です。
除菌・殺菌力も強いので、ウイルスの除菌などに使用されることもあります。
塩素系漂白剤は酸素系漂白剤では落としきれない頑固な汚れもきれいに落としてくれます。
お風呂場の黒カビや便器・排水口の黒ずみなど、ちょっと掃除しただけではなかなかきれいにならない場所の掃除に役立ちます。
ただ、酸性タイプの洗剤と一緒に使用するのは厳禁。
化学反応を引き起こして有毒ガスが発生する危険性がありますので、必ず単体で使用するようにしましょう。
ほか2つの漂白剤が酸素を与えて色素を分解するのに対し、酸素を奪って漂白するのが還元型漂白剤です。
漂白の仕方が根本的に異なるため、酸素系や塩素系では落とせない鉄さびや赤土によるシミなどを洗浄できるところが特徴です。
還元型漂白剤を使用する場所は基本的に酸素系や塩素系漂白剤と同じです。
ほか2つで汚れが落とせなかった場合は、還元型漂白剤に切り替えるときれいに洗浄できる可能性があります。
除菌・殺菌効果はあまり期待できませんので、あくまで汚れ落としの目的で使用しましょう。
自宅の汚れは洗剤の種類をうまく使い分けることで落とせますが、中には市販の洗剤では落とせないしつこい汚れや、エアコン内部など個人では清掃するのが難しい箇所もあります。
そんなときは無理をせず、ハウスクリーニング業者にお掃除を依頼しましょう。
プロなら強力な洗剤や専用の道具を駆使してあらゆる場所のさまざまな汚れをきれいに落としてくれます。
部屋全体はもちろん、部分的な清掃もお願いできるので、一度業者に相談してみることをおすすめします。
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